孫を抱きしめて

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昨日の京都を旅立つ朝
わたしが支度をしていると
長男がLINEで
こう聞いて来た。

「お墓に行くには、どの駅で降りる?」

わたしは、自分が
忘れていたことを
長男が口にして
胸がドキっとしたのです。

「一人でお墓にいってくれるんか?」

「うん。」

わたしはシャトルバスを
待つ間に
駅から、お墓までの
地図をGoogleマップでさがし
おくった。

「お墓には、お線香だけ?」

そんなことまで聞いて来る息子に
涙が出そうでした。

「お前が行くだけで充分だよ。
ただ、オカンのおかんは
コーラが好きやったから
お墓に持っていって
お供えして」

そう話して
わたしはシャトルバスに乗った。


今回の京都の旅は
自分のために
とことん動く旅だった。
旅する前に親友が
お墓に行くなら送るよと
メールをくれたことも
胸がドキっとしたのに
肝心なわたしが
お墓参りを
完全に忘れていた。

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伊丹に着き
搭乗する直前に
送られて来た
画像は
懐かしいもので

わたしはただひたすら

「ありがとう!」

そう、繰り返し心の中で
叫んだ。

搭乗し、
iPhoneの電源を
切る直前に
長男が
こう書いて来た。

「なんか、涙でたわ。
来てよかった!
パワーもらった!」

わたしは動き出す飛行機の中で
涙を浮かべながら
電源をOFFにした。


息子を伝い
パワーをもらったのは
わたしのほうで
きっと
わたしの母が
子供たち全員を
空から守るだろう。


母が亡くなる直前に
こう話した。
いや、もう話すというより
うわ言に近かった。

「孫を抱きたい」

わたしは、まだ二十歳で
その言葉が
重く胸に響き
子供が生まれるごとに
何度もお墓にいっていた。

母に孫を抱かせるために。

息子は、写真でしか
わたしの母を知らない。

だけど、夢を見るんだと言う。

母が夢の中で
孫を抱きしめに行っているんだろう。

だけど、
もう、すっかり
大きくなった孫は
祖母をしっかりと
抱きしめに行ったんだろう。

わたしにとって
もう、長男は
親離れの時を迎えています。
わたしも
子離れの時を迎えました。

もう、大丈夫。
しっかりと自分を持ち
歩んで行くでしょう。


伊丹空港から
飛び立つ空から
わたしは
亡き母にこう言った。
「おかあちゃん、孫やで。
孫が抱きしめに行ったんやで。
また、下三人を連れて行くからな」

伊丹の空は晴天だった。
孫を抱きしめた
祖母の笑顔のように。。
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by ogawaito | 2014-03-09 06:04
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